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菫(スミレ)

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菫(スミレ)はスミレ科スミレ属の多年草である。
スミレ属の植物の総称として用いられる場合もある。
名の由来は花が「墨入れ(墨壺)」に似ていることからきているというのが牧野富太郎博士の唱えた説である。
北海道から九州にかけて広く分布し、人里近くに生える。
海外では、朝鮮半島や中国にも分布する。
草丈は10センチから15センチくらいである。
地下茎はなく、つけ根のところから花も葉も出る。
葉はへら形で、先が丸い。
葉の柄には翼がある。
開花時期は3月から5月である。
柄を伸ばして濃い紫色の花をつける。
花径は2センチくらいの5弁花である。
花びらの大きさは同じではなく、下の1枚(唇弁)が大きい。
唇弁の真ん中は白く、紫色の筋が入る。
上の2枚を上弁、左右の2枚を側弁という。
側弁のつけ根の部分には毛が生えている。
唇弁の奥には距(花冠のつけ根が後ろに飛び出たもの)がある。
俳句の季語は春である。
写真は4月に東京都薬用植物園で撮った。
学名:Viola mandshurica


★さり気なく春の歓び見せるよに
 顔を覗かせ菫花咲く
☆ひっそりと小さな花を咲かせては
 春の訪れ告げる菫よ

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# by ryudesuyo5 | 2010-04-09 06:10 | 春の花

山吹(ヤマブキ)

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山吹(ヤマブキ)はバラ科ヤマブキ属の落葉低木である。
北海道から九州にかけて分布し、丘陵地や山地の林の中などに生える。
また、庭木とされる。
海外では、中国大陸にも分布する。
樹高は1~2メートルである。
樹形は株立ち状となる。
葉は卵形で、互い違いに生える(互生)。
葉の先は尾状に尖り、縁には重鋸歯(大きなぎざぎざに更に細かなぎざぎざがある)がある。
葉の表面は鮮やかな緑色、裏面は淡い緑色である。
葉の質は薄く、全体に毛が生える。
開花時期は4~5月であるが、戻り咲きも多い。
花径2~3センチの黄色い花を枝先に1つずつつける。
花弁は5枚である。
雄しべはたくさんある。
園芸品種には八重咲きのものもある。
万葉集では山振(やまぶり)とされる。
枝垂れた枝が風になびく風情を表したもので、山吹(ヤマブキ)はこれが転訛したものと考えられている。
俳句の季語は春である。
枕詞にも使われており、「にほふ」にかかる。
写真は4月に小石川植物園で撮った。
学名:Kerria japonica


★山吹のにおえる妹が庭先を
 通い路伝い今宵も愛でし
☆山吹の揺れるトンネル幼き日
 思い出色は今も変わらず

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# by ryudesuyo5 | 2010-04-08 06:41 | 春の花

二輪草(ニリンソウ)

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二輪草(ニリンソウ)はキンポウゲ科イチリンソウ属の多年草である。
北海道から九州にかけて分布し、林の中や林の縁に普通に生える。
根茎で繁殖するため、大群落をつくることがある。
草丈は15~30センチくらいである。
根際から生える葉には長い柄があり、3つに深く裂ける。
菱形をした両脇の裂片も2つに深く裂けて、更に細かく切れ込む。
茎につく葉は茎を抱いて3枚が輪生し、深い切れ込みがある。
開花時期は4~6月である。
普通は2本の長い花の柄を伸ばし、先端に花径2センチくらいの白い花をつける。
ただし、花の柄は1本のときも3本のときもある。
花弁のように見えるのは萼片で、5枚から7枚くらいある。
花の真ん中にはたくさんの雄しべと10本くらいの雌しべがある。
漢名を鵝掌草(ガショウソウ)という。
「鵝」は「鵞」の異字体で、「掌」は手や足を意味する。
葉の形を鵞鳥(ガチョウ)の足形に譬えたものである。
葉は食用になるが、「鳥兜」とよく似ているので誤食の危険がある。
俳句の季語は春である。
写真は4月に神代植物公園で撮った。
学名:Anemone flaccida


★にこやかに見つめあい咲く二輪草
 真白き思い忘ることなく
☆寄り添いて微笑み交わす二輪草
 風に揺られる楽しみ知りて

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# by ryudesuyo5 | 2010-04-07 06:06 | 春の花

著莪(シャガ)

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著莪(シャガ)はアヤメ科アヤメ属の多年草である。
漢字では「射干」とも書くが、これは中国では檜扇(ヒオウギ)を指す言葉である。
本州から九州にかけて分布し、人里近くに生える。
学名にはjaponicaの文字が使われているが、古い時代に日本に中国から持ち込まれた植物だと考えられている。
草丈は30~70センチくらいである。
根際から生える葉は線形である。
開花時期は4~5月である。
文目(アヤメ)や花菖蒲(ハナショウブ)などより時期は早い。
根茎から匍匐枝を伸ばしてうす暗い林の下などに群生する。
伸ばした花茎を枝分かれさせて、花径5センチくらいの淡い紫色の花をつける。
花被片は6枚である。
外花被片3枚には青紫色と橙色の斑が入る。
内花被片3枚は淡い紫色で、先が浅く2つに裂ける。
花は一日しかもたず、開花した翌日にはしぼんでしまう。
別名を胡蝶花(コチョウカ)という。
結実はせず、球根もつくらない。
俳句の季語は夏である。
写真は4月に埼玉県三郷市で撮った。
学名はIris japonica


★朝開き夕べにしぼむ白き著莪
 君と遊ばん胡蝶の夢を
☆著莪の花短き命知ればこそ
 君の眼差し夢に誘い

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# by ryudesuyo5 | 2010-04-06 05:58 | 春の花