薺(ナズナ)はアブラナ科ナズナ属の一年草である。 北海道から沖縄にかけて分布し、田畑や畦道、道端、荒れ地などに普通に見られる。 春の七草の一つであり、若苗を食用にする。 アブラナの仲間で、冬の野草として昔は貴重なものであったのだろう。 草丈は10センチから50センチくらいである。 葉は初期にはさじ形をしているが、花が咲くころには細長い被針形となる。 茎の上部につく葉は茎を抱き、互い違いに生える(互生)。 根際から生える葉はロゼット状となり、羽状に切れ込む。 開花時期は2月から6月である。 花径15ミリから35ミリくらいの小さな白い十字花をたくさんつける。 花弁は4枚、萼片も4枚である。 雄しべは6本、雌しべは1本である。 下のほうには実ができるが、先端部には次々と蕾ができて開花する。 別名をぺんぺん草(ペンペングサ)ないし三味線草(シャミセングサ)という。 これはいずれも実が三味線の撥(ばち)に似ているところからきている。 慣用句に「ぺんぺん草も生えない」というのがあるが、これは薺(ナズナ)が荒廃した土壌であっても生育するところからきている。 俳句の季語は春である。 写真は3月に江戸川河畔で撮った。 学名:Capsella bursa-pastoris ★バチの音を聞いておくれというように 薺の花が春の川原に 今日の花ドットコム 花図鑑 #
by ryudesuyo5
| 2010-04-29 07:23
| 春の花
満天星躑躅 (ドウダンツツジ)はツツジ科ドウダンツツジ属の落葉低木である。 原産地は日本である。 この仲間は東アジアやヒマラヤに10種ほど分布するという。 山地の岩の上などに自生するが、花も紅葉も美しいので庭や公園にも植えられる。 一般家庭にも多く植えられ、刈り込んで生垣などにもしている。 樹高は1から3メートルくらいである。 枝は細く、車輪状に枝分かれをする。 葉は楕円形で、枝先に輪生状に集まって互い違いに生える(互生)。 葉の縁には細かいぎざぎざ(鋸歯)がある。 開花時期は4、5月である。 枝先に白い壷形の花を2輪から4輪くらい下垂して咲かせる。 長さは7、8ミリで、花冠の先は5つに裂ける。 雄しべは10本である。 花期には木全体が真っ白になることから「満天星」の文字が充てられた。 また、「灯台躑躅」と書くこともあるが、これは枝分かれする形が灯明台に似ていることから充てられたようである。 花色は白のほかに白地に赤い縞模様が入る更紗満天星(サラサドウダン)や赤い花を咲かせる紅花満天星(ベニバナドウダン)などがある。 俳句では満天星(ドウダン)が春の季語である。 紅葉の写真は11月につくば植物園で撮った。 花の写真は4月に神奈川県立フラワーセンター大船植物園で撮った。 学名:Enkianthus perulatus ★ころころと転がるような花の精 緑の風にそっとほころび ☆天空の星を集めて花咲かせ 満天星躑躅風に揺れなん 今日の花ドットコム 花図鑑 #
by ryudesuyo5
| 2010-04-28 06:18
| 春の花
ナスタチウムはノウゼンハレン科キンレンカ属の多年草である。 園芸上は春まきの一年草として扱われる。 原産地は南アメリカである。 ペルー、コロンビア、ブラジルなどに分布し、熱帯でも涼しい高地に生える。 日本へは江戸時代に渡来し、観賞用に栽培されてきた。 和名を金蓮花(キンレンカ)という。 葉が蓮の花に似ているところからつけられた名前である。 草丈は30センチから60センチくらいである。 茎は蔓状で多肉質である。 2、3メートルくらいまで伸びる。 葉は柄が長く卵形でハスに似ている。 開花時期は4月から11月である。 花は長い花柄に1輪ずつつき、紅色、黄色、橙色などの5弁花を咲かせる。 英名をインディアンクレス(Indian cress)といい、欧米では古くから食べる薬として利用されてきた。 胃腸の機能を高めたり、貧血を改善したりするのに効果がある。 葉はピリッとしたわさび風味が特徴で、サラダやサンドイッチに用いると美味しい。 若い実はピクルスにしたりする。 写真は4月に神奈川県立フラワーセンター大船植物園で撮った。 学名:Tropaeolum majus ★まろやかな葉先にすっと背を伸ばし 咲く金蓮花滋養に満ちて ☆蓮の葉に似せて作れり金蓮花 薬となりし花も可憐に 今日の花ドットコム 花図鑑 #
by ryudesuyo5
| 2010-04-27 06:17
| 春の花
ライラックはモクセイ科ハシドイ属の落葉低木ないし小高木である。 原産地はバルカン半島である。 16世紀にヨーロッパ全体に広がった。 日本へは明治時代の中期に渡来した。 ライラックは英語名で、フランス語ではリラと呼ばれる。 また、紫丁香花(ムラサキハシドイ)という和名もある。 樹高は4メートルから7メートルくらいである。 葉はハート形をしており、革質で光沢がある。 開花時期は4、5月である。 先が4裂した花径1センチくらいの筒状花を密生して円錐花序をつくる。 花序の長さは10センチから20センチくらいである。 雄しべや雌しべは花冠より短い。 丁香花(ハシドイ)のほうは花の外に突き出ている。 多くの園芸品種が作出されていて、一重咲き、八重咲きのそれぞれに白、淡青色、濃紫色がある。 香りがよく、香水の原料ともされる。 また、ライラックは色の名前(薄い紫色)にもなっている。 札幌市の花として知られ、毎年5月の下旬に「ライラック祭り」が開催される。 俳句の季語は春である。 写真は4月につくば植物園で撮った。 学名:Syringa vulgaris ★咲き出ずる赤紫の花房は 緑の風に芳香を放ち 今日の花ドットコム 花図鑑 #
by ryudesuyo5
| 2010-04-26 06:17
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アネモネ(Anemone)はキンポウゲ科アネモネ属(イチリンソウ属)の多年草である。 イスラエルなど地中海沿岸地方に自生する野生種を、ヨーロッパで園芸用に改良した。 自生地の一つであるパレスチナから十字軍の土産としてヨーロッパに導入され、15世紀から18世紀にかけてイギリスとオランダで盛んに育種が行われたのだという。 日本へは明治時代の初期に渡来している。 牡丹一華(ボタンイチゲ)、花一華(ハナイチゲ)などの別名がある。 花は色鮮やかで、赤、桃色、紫色、青、藤色、白など数多くの色がある。 また、一重咲き、半八重咲き、八重咲きなどもある。 なお、花びらに見える部分は、萼が大きくなって変化したものである。 草丈は20センチくらいである。 根際から生える葉は3出複葉(1枚の葉が3つの小さな葉に分かれた形)で、小葉は羽状に裂ける。 開花時期は2月から5月である。 アネモネの名は、ギリシャ語で風を意味するanemos(アネモス)から来ている。 英名もウィンドフラワー(wind flower)という。 ギリシャ神話では、女神アフロディーテの涙から生まれた花といわれ、ローマ神話では風の神ユピテルに愛された少女の生まれ変わりだとされる。 俳句の季語は春である。 写真は4月に野田市の清水公園で撮った。 学名:Anemone coronaria ★華やかに春の歓び歌い上げ 咲くアネモネの花びら揺れて ☆アネモネの花びら揺らす春風は 空をも染める色鮮やかに 今日の花ドットコム 花図鑑 #
by ryudesuyo5
| 2010-04-25 08:20
| 春の花
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